センナ(刺激性下剤)と酸化マグネシウム(塩類下剤)
一般的に下剤でよく使われるのは、腸を動かすセンナ(刺激性下剤)と水分を腸管に移行させて便を軟らかくする酸化マグネシウム(塩類下剤)です。
センナは即効性がありますが、効きすぎて下痢になったり、腹痛が生じたり、耐性ができて効きにくくなったりする等、多くの問題点もみられます。
酸化マグネシウムにはそのような心配がありません。西洋薬で選択する際にはこちらをお勧めしています。
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一般的に下剤でよく使われるのは、腸を動かすセンナ(刺激性下剤)と水分を腸管に移行させて便を軟らかくする酸化マグネシウム(塩類下剤)です。
センナは即効性がありますが、効きすぎて下痢になったり、腹痛が生じたり、耐性ができて効きにくくなったりする等、多くの問題点もみられます。
酸化マグネシウムにはそのような心配がありません。西洋薬で選択する際にはこちらをお勧めしています。
人間の体は一人一人違っているため、統計学的に処理されて作られた西洋薬の場合、すべての人の体に合うとは限りません。その点、漢方薬は一人一人の体質を考えて決められるため、きめの細かい処方が可能です。
漢方薬の下剤で、最も幅広く使われるのが大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ)です。
大黄で蠕動運動を促進し、甘草でその働きを穏やかにするため、西洋薬のセンナ剤を単独で服用した時にみられる腹痛の心配がありません。
「大黄甘草湯」に芒硝という酸化マグネシウム(塩類下剤)のような成分が加わると、調胃承気湯(チョウイジョウキトウ)になります。
「調胃承気湯」単独でセンナと酸化マグネシウムの2種類の薬を服用するのと同様の効果が期待できます。
「調胃承気湯」を強力にしたのが大承気湯(ダイジョウキトウ)です。
大黄の蠕動運動を緩和するための甘草を取り去り、とにかく下すことを目的とした生薬構成になっています。
不安、不眠、興奮などの精神症状を伴う場合や安定剤、睡眠薬の常用で、腸の動きが低下している人にも使われます。
「調胃承気湯」に血液の循環を良くする生薬を加えると、婦人科でおなじみの桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)になります。
生理不順や生理痛を伴い、手足は冷えるが顔はのぼせる、いわゆる冷えのぼせの人に使われます。
「調胃承気湯」の成分にさらに15種類の生薬を配合したものが防風通聖散(ボウフウツウショウサン)です。
脂肪を燃焼する働きがあるためダイエットにも効果的で、肥満や太鼓腹の人に使われます。
裂肛(キレ痔)や痔核(イボ痔)があり、これらが便秘で悪化するような人には乙字湯(オツジトウ)が使われます。
少量の大黄が含まれており、痛み、出血、便秘等の症状をまとめて改善します。
ここまでは体力中等度から元気な人向けですが、体力が少し低下した人や高齢者のコロコロ便(兎糞状)には麻子仁丸(マシニンガン)が使われます。
蠕動運動を促進する大黄の他に、麻子仁や杏仁という生薬が粘膜を潤すため、乾燥した便を潤滑にします。
「麻子仁丸」をベースに高齢者の全身状態を改善する生薬を数種類加えると、潤腸湯(ジュンチョウトウ)になります。
「麻子仁丸」で効果が不十分な時に使われますが、冷えて腸が弛緩しペラペラのビニール袋状になったような場合にも効果が期待できます。