おしりのはなし
最近読んだ専門の本に書いてあったことで、だよね~と思ったことを一つ。
「生活習慣からくる肛門疾患」という題でしたが、
「人間以外のほとんどの動物は、便意を感じたとき、我慢せずに排便を行うのが通常であり、人間の様に朝時間がないからといって排便を我慢したり、トイレが近くにないため排便を我慢することはない」とありました。
確かに! 動物は、トイレの場所を探して排便するんじゃなくて、したいときにしたいところでしますよね~。動物園でもだれが見ていようと遠慮なく(笑)
その瞬間をみると子どもたちはやたらと喜びますが・・・(笑)
便意を我慢することで便秘につながり、それが痔主の道につながります。
また、「小学生の時期に、学校で大便に行くと、いじめられる原因になったり、授業では便と快便についての教育がされていない。現代では便は汚いものとされ、教育としての快便についての啓発がされていない」とありました。
確かに! 思春期のころは学校で排便をするのが恥ずかしく、我慢したら便意がなくなってしまうことも多々あり。便が素晴らしいもの、体のバロメーターになるものであることを小学生のうちに教育することはないですよね。
人間には、痔主になる要素が備わっているんだな~と感じます。
だから、3人に1人は痔主と言われるんでしょうね。
恥ずかしい…そう思わないで、診察に是非来てください。
手術をしなければいけない状態になる前に、生活習慣を改善させることで、治る道があるかもしれません。
2018-06-19 16:54:51
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先日、子供たちにお風呂で、「今日どんな便が出た?」と聞いたら、湯気でくもった鏡に今日出た便の絵を書き始めました(笑)
我が家の子ども達はまずまず、いい便が出ています。
便ネタは小学生や幼児には笑いのネタになりますが、自分の出た便を観察するのは健康状態を把握するのにすごく大事なことです。
理想の便は?と聞かれたら、「バナナぐらいの太さの便が歯磨き粉くらいの硬さで」と言うお話をします。
排便方法も大事です。何時間も力を入れながらトイレで時間を過ごすのはNG。
「あ~、トイレに行きたい!→行きました→出ました!!」の3分が理想です。
色にも食べ物の影響が多く現れます。着色料や色素の多い食材や、色つきの注射をした際には色が変わります。トマト系の食事をすると赤っぽい便が出るという風に。
また大腸通過時間でも色は変わります。大腸を通過する時間が短いほど明るい黄色で、長いとこげ茶に近づきます。
毎日便の状況を観察しながら、色や硬さ太さなど気になることがあればご相談くださいね!
2017-05-23 17:18:53
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Jステーションの『からだ健康塾』でお話をさせていただきました
大変反響が大きく!?と言っても私の親戚や友達から連絡をもらいました
普段コンタクトの私が撮影のときに眼鏡をかけて撮影したのですが、いとこからは「小顔を狙ってめがねにしたん?」と言われました(笑)
友だちには「やっぱりテレビは実物より大きく映るね~」って言ったら、「大丈夫!目を細くして見たから気にならないよ~」っと(笑)
みんな散々です。。。
街角インタビューで、1人も痔の方がいなかったのには驚きでした。
っというより、公共の電波で、「私、痔なんです~」ってなかなか言えませんよね
日本人には3人に1人と言われる「痔」ですが、実際にはもっと多いと言われています。
多い疾患ではあるけれど、場所が場所だけに…なかなか受診しにくいですよね
番組内で、「中国・四国地方で女性の専門医は1人」とありましたが、正確には「肛門科で女性の専門医は1人」です。外科や内科で大腸肛門病学会の専門医の女医さんはいらっしゃいますが、肛門を専門にしているのは私1人です。
今後も専門医としての名に恥じぬよう日々努力することと、後輩を育てていくことが、私の務めと思っています。
2017-03-09 12:46:02
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先日のTVで、「逃げるは恥だが役に立つ」で大人気の星野源さんが、原因不明のお尻の痛みに悩まされているという話をされていました。
夜中にお尻の激痛で目が覚めて、痛みを我慢する姿が「モニカを歌っているときの吉川晃司さんに似ている」と言うことで星野さんが勝手に(笑)「モニカ病」と名付けています。
「モニカ病」の正式な名前は「突発性肛門痛」。「特発性肛門痛」「肛門挙筋症候群」などとも言います。
痛みの原因となるような所見は全くないのに、突然の激痛で動けなくなったり、夜中に痛みで目が覚めたりします。
肛門部の筋肉が痙攣することで起こるのでは?といわれていますが、原因は不明です。ストレスや疲れ、自律神経や便秘などと関連があると言われています。
激痛があるとビックリするし、心配ですよね。
まずは診察に来ていただいて、悪性所見や原因となる所見が無いことを確認しましょう。
そして何もないなら、安心してください。急いで手術や処置を行う必要はありません。
治療で一番効果が期待できるのは、座浴。温かいお風呂に入りお尻をあたためたり、洗面器にお湯をためて、そこにお尻を付けることで、血行をよくすることで症状が治まることがあります。また、ストレス、疲れをためないようにすることも治療のひとつです。
2016-12-18 21:06:00
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今回はイボ痔の手術の適応についてです。
イボ痔には4段階あります。
Ⅰ度:出血することはあるが、外には出ない
Ⅱ度:排便時に出るが、自然に戻る
Ⅲ度:排便時に出るので、押し込まないと戻らない
Ⅳ度:排便のとき以外も、イボ痔が常に外に出ている
教科書的には、Ⅲ度、Ⅳ度の状態であれば、手術の適応です。
が、イボ痔は悪いものではありません。悪性に変わったり、どっかに転移したりするものではないので、痛みもない・出血もない・別に気にもならないなら、どんなに外に脱出していても無理に手術をする必要はありません。
逆に痛みがひどい・出血がとまらない・でてるのが気になる…なら、Ⅲ度、Ⅳ度でなくても手術を行うこともあります。
まずは診察で自分の度合いを知ることで、手術が必要かどうかをご相談いただければと思います。
2016-12-07 04:52:00
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学会会場では、何カ所もある会場の中から聞きたい話を選び移動します。
もちろん発表がある場合は、終わるまでは緊張しつつ、想定される質問の答えを考えつつドキドキしながら待ちます。
今回は大腸肛門病学会なので、外科のみならず、内科や病理関係の先生も来られるので、13会場ありました。
その中で、肛門のセッションを選んで拝聴してきました。
新しい手術方法のビデオ提示、珍しい症例発表、自施設での症例検討などなど。
いろいろな会で私も全国にお知り合いの先生方ができ、難しい症例や治療方法などのお話をさせていただく機会もありました。
学会や研究会に参加するととても刺激になります。
また、日々の診療にいかせるようがんばります。
2016-11-24 17:58:00
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11月18日、19日と三重県伊勢市で行われた日本大腸肛門病学会に参加してきました。
名古屋まで新幹線、乗り換えて近鉄線で伊勢市まで。遠かった…
5月に伊勢志摩サミットが行われた伊勢神宮も近いところです。
ホテルまで向かうタクシーの運転手さんが
「今日、明日と三重サンアリーナで大きな学会があって、2300人くらいお医者さんが集まるらしいですわ~」っと言われました。
「へ~、そうですか~」と答えた私。
やっぱり、大腸肛門病学会に所属する女性医師はまだまだ少なく、私もその学会に参加しているとは思われなかったようです。
「お客さんどちらから?」
「広島です」
「今年は広島カープすごかったですな~。今年はカープの年やったな~」と。
「ですよね~!」
「おまけにオバマはんも、広島にいかはって、伊勢志摩でサミットあったやなんてみんな忘れてしもうて、広島に全部持ってかれましたわ~」とのことでした。
確かに、今年は広島にとってとってもいい年になりましたね。
2016-11-21 17:54:00
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よく、イボ痔、いぼぢなどと聞きますが、そもそもいぼ痔ってなんでしょう?
正式には、内痔核、外痔核と言います。
赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる胎児の初めのころは、消化管はつながっていません。成長の過程で直腸側と肛門側がつながります。そのつなぎ目(歯状線)より上から出てくるものを「内痔核」、下にできるものを「外痔核」と言います。
内痔核は痛みを感じる神経がほとんど無いところにでき、初期のころは痛みを感じません。「人は痔核をもって生まれてくるが、症状を呈する状態になって初めて痔核であると診断する」とも言われています。
反対に外痔核は痛みを感じる神経があるところにできるので、痛みを伴いますが、症状が緩和しやすいのは外痔核です。
内痔核の成因については諸説ありますが、「肛門クッション組織の支持組織の減弱」という説があります。肛門クッション組織とは肛門が軟らかく完全に閉鎖できる役割を担う部分で、排便のときに過度にいきんだりすることで、うっ血が起こり、病的な状態に変化してしまいます。そして、出血や脱出、疼痛といった症状を呈して「内痔核」と診断します。
痔核は絶対手術しなければいけないわけではありません。
手術適応についてはまた次回…
2016-11-08 17:44:00
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多くの方が悩んでいる「便秘」。
トイレに行くタイミングがつかめず、我慢することで本当にトイレに行きたい感覚がなくなってしまう人もいます。
また、女性はホルモンバランスの関係で、生理前は便秘になりやすいホルモンが出るため、生理前の便秘に悩む方も多いです。
お年を召してくると押し出す力が弱くなり、便秘がひどくなります。
一言で便秘といっても人ぞれぞれの特徴があります。
えらそうに話してる私も便秘に悩む一人です。
自分に合った対処方法を見つけ、自分の便秘に向かい合うことで日々乗り切っています。
皆さんの便秘はどんな様子ですか?
悩んでおられる方は、気軽にご相談ください。
「便秘とダイエットは女性の永遠のテーマ」ですから!
2016-11-05 17:39:00
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